実は意外と休める
様々な業界の中でも、特に介護業界は忙しくて休日が少ないと思っている人も少なくないでしょう。確かに、老人ホームなどの介護施設は365日24時間営業しているので介護職員は土日や祝日、夜間に出勤する必要があります。人手不足で休日を取得しづらいケースもあるかもしれません。しかし、実際はそのような職場だけではなく、意外と休日が充実している職場もあるんですよ。
まず、実際にどのくらい休日があるのか厚生労働省が発表しているデータを基に見ていきましょう。「医療・福祉」分野の年間休日数で最も多い層は100~109日で、次いで110日~119日となっています。労働者1人あたりの平均は111.5日で、月に換算すると9日程度は休日があるようですね。このように、意外にもちゃんと休日を取得できていることが分かります。他の業界と比べてみても、「宿泊業・飲食サービス業」の平均年間休日数は102.9日、「運輸業・郵便業」の平均年間休日数は106.6日となっており、特別に休日が少ないといったわけではありません。もちろん職場によって異なる部分なので、介護業界に転職する場合は施設形態や年間休日数をしっかりチェックしてくださいね。例えば、あらかじめ休日が決まっていて夜勤がない職場を望むならデイサービスがおすすめですよ。
有給休暇の取得率はどうでしょうか。忙しいイメージがあるので、有給休暇は取得しづらいと思っている人も少なくないでしょう。正直、職場の事情によって異なる部分ですが、他の業界と比べて特別取得しづらいといったことはないようです。「医療・福祉」分野では平均で年間約9日の有給休暇を取得しており、取得率は50%ほどです。付与された有給休暇の半分しか取得できていないので少ないイメージを持つかもしれませんが、実は他の業界とそこまで差はありません。「建設業」は7日、「教育・学習支援業」は8日、「宿泊業・飲食サービス業」にいたっては5.2日しか年間で有給休暇を取得できていないんですよ。
ただし、これらのデータは働き方改革以前の数字なので、全業界を通じて以前よりも有給休暇を取得しやすい環境が整っているようですね。もちろん介護業界も同様で、これからどんどん休日を取得しやすい状況になってくるでしょう。なお、働き方改革によって年10日以上の年次有給休暇が付与されている労働者に対しては、必ず5日以上の有給休暇を取得させるよう義務付けられました。これを破った場合、企業側には罰金などの罰則が与えられることになります。